チームの練習だけでは「基礎」が足りない? 今、現場で起きていること
私自身、指導者として自分の足で全国の現場を巡る中で、多くの子どもたちとボールを蹴ってきました。その中で、多くの指導者の方々が情熱を持ってチームを指導されている姿を見る一方で、構造的な難しさにも直面してきました。
それは、多くのチームにおいて、「勝つための戦術」や「全体練習」がどうしても優先されてしまうという現実です。
試合のメンバーには選ばれ、週末にはユニフォームを着てピッチに立っている。それなのに、
- 「ボールを思ったところに止める・蹴る」という身体の使い方のベース
- 「なぜそのプレーをするのか」という状況判断の基礎
これらをじっくり教わる時間が、日々のチーム練習の中ではどうしても不足してしまっています。
その結果、子どもたちはどうなるでしょうか? 「もっと上手くなりたい」「試合で活躍したい」という気持ちはあるのに、どう身体を動かしていいか分からないから、ミスが増えて自信をなくしてしまう。 そして、「自分はセンスがないのかも…」と諦めてしまう。
子どもたちは決してサボっているのでも、やる気がないのでもありません。「正しく教えてもらう機会に出会えていないだけ」なのです。
基礎を教えてもらえない子どもたちに、家庭でできる「たった一つのアプローチ」
チームで教わる時間が足りないのであれば、それを家庭で補ってあげる必要があります。ただし、ここで厳しいスパルタ練習をさせたり、「もっと練習しなさい!」と叱ったりするのは逆効果になってしまいます。
子どもたちが自ら動き出し、サッカーの基礎を楽しく身につけていくために、保護者の方に意識していただきたい3つのステップをご紹介します。
ステップ1:まずは「失敗してもいい安心感」をつくる
基礎が身につく前に、親御さんや指導者から「なんでできないの!」「ちゃんと見て!」と叱られてしまうと、子どもは萎縮してしまいます。 まずは、「できないのは、まだ教わっていないから当たり前だよね」という温かい眼差しを持ち、家の中では失敗を恐れず挑戦できる安心感(心理的安全性)をつくってあげましょう。
ステップ2:ハードルを「5分・5本」に極限まで下げる
「自主練をさせなきゃ」と思うと、ついつい1時間メニューを組んだり、厳しいノルマを課したりしがちです。しかし、最初は「ボールを5回蹴るだけ」「庭で5分だけパス交換をする」など、子どもが「それくらいなら面倒くさくないや」と思えるほどハードルを限界まで下げることが、継続の最大の秘訣です。
ステップ3:答えを教えず「どう思った?」と問いかける(自立のサポート)
私たちが大切にしているのは、「こうしなさい」と指示するのではなく、「今のはどうだった?」「どうすればもっと上手くいきそう?」と子ども自身に考えさせる(問いかける)ことです。 自分で考え、自分で答えを出した経験が、子どもの中に確かな「サッカーの基礎(思考力と技術)」を定着させていきます。
まとめ:子どもたちの未来の可能性は、ここから広がる
「子どもたちはサッカーの基礎を教えてもらっていない」――この現実を知ったとき、ショックを受けられる親御さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、それは裏を返せば、「家庭でのちょっとした関わりや、正しいサポートを取り入れるだけで、子どもは見違えるように輝き出し、劇的に成長する余白がまだまだたくさんある」ということです。
全国の現場を歩いてきた私だからこそ断言できます。 子どもたちのポテンシャルは無限大です。今日から、ほんの少しだけお子さんとの関わり方を変えて、サッカーの本当の楽しさを一緒に引き出してあげませんか?
我が子のために一歩を踏み出そうとしているあなたを、私はこれからも全力で応援しています。
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